夕暮れ行進曲
 自転車置き場は校舎の影になっており、風が吹き抜けたりはしないが常にひんやりと冷たかった。

 この場所は意外と不良も寄り付かない、静かなところだ。
俺は学校という大きな壁に寄りかかって顔を手で覆った。

 やっぱり言えない。坂井に恋愛は考えられないなんて言う勇気がない。
こうやって人間は鬱病になっていくのだろうか・・・いつもなら早く終わって欲しい授業も今日は永遠に続いて欲しいような気がした。
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