夕暮れ行進曲
 俺はなんだかドキドキしていた。二人はそのまま俺に気付かずに自転車置き場の横を通り過ぎていった。

 ぼーっとしながら教室へ戻る途中の廊下で加藤に殴られた。
肩に二発と頭に平手打ち。

 俺は薄ら笑いを浮かべながら「やめろよ~」とつぶやく。
俺はこの程度では頭にこない。

 頬を2,3回引っ叩かれるぐらいじゃないと怒りが込み上げてこないのだ。
今日の加藤は急いでいるらしく、俺にちょっかい出したのはそれだけだった。

 イラつく。いっそ大喧嘩でもしてしまいたい。
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