夕暮れ行進曲
 立花は左手でそれをかきあげた。
サラサラの髪が羨ましい。

 男の俺が言うのもなんだが、生まれつき天然の奴はサラサラストレートに一度は憧れる。
それは同姓に対してもそうだが、異性に対してもそうであり・・・。

 立花の髪は風に靡かれても一度手で整えれば跳ねが一本もなくなる。
きっとシャンプーやリンスも良いものを使っているんだろう。

 天然の俺は窓から頭を出すと風で髪が絡まり、いちいちトイレに行ってセットしなければならない。

「高橋もやらない?」
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