妻へのラブレター
明夫が夕方にハンカチで汗を拭いながらやって来た。

昼過ぎから、明夫にあったら何を言ってやろうか…、僕の辛さや恨み事でもぶつけてやろうか……とずっと考えていた。

病院の個室を借りて、明夫と登喜子と三人で座った。

「兄さん、びっくりしたよ。こんなに悪いなんて、知らなくて。」

悪びれない表情の明夫が恨めしかった。

本当にコイツは気がつかなかっただけじゃないか…なんて思ってしまう。
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