妻へのラブレター
だから日に一回だけ、散歩に連れて行ってもらう事にしていた。

けど今日は空を見上げるのもやっとだった。

首に力が入らなくなってきている。

帰りなんて首がガックリ前に垂れてしまった。

部屋に戻ると婦長さんが

「今日から個室にしましょう。ご希望の部屋が空きましたよ。」

と迎えてくれた。

移った部屋は綺麗で広い。

部屋の差額代が高そうだ。

でもここならば、孫達が多少騒いでも大丈夫だ。

静香と貴子が安心して来れるなら仕方ない。
< 29 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop