妻へのラブレター
ヤスの記憶の中の僕は、笑っている僕だろうか…。

それとも、眉間にシワをよせたイライラした今の僕だろうか…。

神様…もしわがままが通るなら、前者にしてもらいたい…。

怒鳴った事で貴子が不機嫌な顔をして帰ってしまった。

「あーあ、怒らせた。ま、貴子は明日になったら忘れてるわ。」

いつの間にか登喜子がドアの所にいた。

「…私夕飯までいた方がいいの?」

登喜子の問いかけに

「一緒に食べよう。」

と精一杯強がって答えた。
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