妻へのラブレター
登喜子には話していなかった武勇伝。

会社が傾いた時、僕は必死で輸出の売買交渉をして、奇跡的に成功した。

何千万の金が一晩で動いた。

僕は社長賞をもらい、社長とドンペリを飲んだ。

これは登喜子には話していなかった。

話すのが恥ずかしいし、照れくさくて話すタイミングを失ったままだった。

「本当にあれはすごかった。会社を救ったんですよ。」

まるで自分の事の様に嬉しげに加藤が話す。
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