妻へのラブレター
「最近は僕の会社も不景気でいけないよ。藤川、元気になったらうちの会社を助けておくれよ。」

ニコニコしているタヌキに昔の鬼の形相はない。

お互いに年とったもんだな。

タヌキは優しい。

そして僕はタヌキに弱音を吐いたんだ。

「…僕が死んだら…葬式を…お前がやってくれないか?」

もちろん喪主は登喜子だ。

けれど、僕が死んだ後に登喜子が葬式を仕切る大変さを考えると、タヌキがやってくれたら…と思ったんだ。
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