妻へのラブレター
昼過ぎに登喜子が戻ってきた。

「明日…お母様がいらっしゃるわ…。さっき電話が来たの。」

胸の鼓動が速くなる。

やっと会える…。

どのくらい会っていないんだろうか…?

記憶の断片を繋ぎ合わせてみるが、よく思い出せない…。

ただ…おふくろには、会うことがない…そう思っていた。

理由は…もう今の僕には思い出せない…。

明夫には…いつ会ったのだろう…。

なんで…明夫とおふくろを思い出すと…懐かしさと共に寂しい孤独感がわいて出てくるのだろう…。

思い出せない…。
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