妻へのラブレター
おふくろは僕の手を握るとゆっくりと両手でさする。

「…龍治。…龍治。…すまないね…。」

………なんだい…。

文句なんて言えないじゃないか…。

急に優しい母親の顔して…。

おふくろ…泣くな。

泣くなよ…。

そんなに僕を愛してたわけじゃなかったろ?

だから…泣いてくれるな…。

もっと早くに会いに来れたろ?

なのに何で今頃来て…そんな顔するんだよ…。

おふくろ…あんたはズルい…。
< 62 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop