旅立ちの日〔実話〕
母の表情はずっと強張ったままだ。
それを見て察したのだろうか、弟と妹は泣かずに静かにしていた。




深夜にも関わらず電話は鳴り続けた。

何をしたらいいのか分からず、パニックなのか放心状態なのか、何も出来ないままテレビを見ていた。





父親からの連絡は無い。








気が付くと日が出てきていた。

おじさんは一度家に帰り、後でまた来ると言い、出て行った。



弟と妹は寝ている。
母と私は一睡も出来ず、朝を迎えた。
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