旅立ちの日〔実話〕
しかし、お袋はもっと焼けていて最後まで分からなかった。
片方の足の指に一本短いのがあったので遺体の下の方からそれだけを注意して探した。
ところがお袋はその足を折り曲げた格好だったのですね。
だから毛布をあげても足が一本見えない。
あっ、この人は足がないんだ、これ以上見てはいけないと思ってしまって、その遺体は何度も見たけど見過ごしてしまったんです。
最後に血液型で確認を終えたのが夕方4時過ぎでした」という。
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