つま先立ちの恋
私はタオルで顔を隠した。て、いかんいかん。鼻まで隠したら息できなくなるってば。

「さっきのバスケで軽く突き指したみたいで…」

「大丈夫?」

葵ちゃんの声が遠ざかる。きっと和泉の所まで行ったんだ。

「先生は?」

『いないよ』

「んじゃ、勝手に湿布だけもらっとこ」

「私、やってあげようか?」

「んにゃ、部活で慣れてるから。それよりチャイム鳴るぞ』

「えっ、まだ着替えてないのに!」

『灯歌ちゃん、授業終わったらまた来るから』

カエルくん! てゆーかパペちゃん、余計なことをっ!!

和泉に私がここにいることバレちゃうじゃん!

(元々バレてたけど)

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