つま先立ちの恋
◆
7月の日の入りは遅い。一度落ちた太陽は月とバトンタッチをすると、明日が始まるまで顔を出さない。
校舎は真っ暗で、放送部の部室にだけ明かりが灯っていた。
「灯歌ちゃんっ!」
内側からドアが開くと、そこから葵ちゃんが今にも泣き出しそうな顔で現れた。そのままガッツリと私を抱きしめた。
「もおぉぉ~! 心配したんだからねっ。メールしても電話しても反応ないんだもん。どっかでのたれ死にしてたらどうしようかって…っもう、心配したんだから!!」
キャンキャンと子犬みたいに葵ちゃんが一気にまくしたてた。
「良かった~、、、生きてて、、、」
泣き出す5秒前の鼻息が熱いぜよ、葵ちゃん。
7月の日の入りは遅い。一度落ちた太陽は月とバトンタッチをすると、明日が始まるまで顔を出さない。
校舎は真っ暗で、放送部の部室にだけ明かりが灯っていた。
「灯歌ちゃんっ!」
内側からドアが開くと、そこから葵ちゃんが今にも泣き出しそうな顔で現れた。そのままガッツリと私を抱きしめた。
「もおぉぉ~! 心配したんだからねっ。メールしても電話しても反応ないんだもん。どっかでのたれ死にしてたらどうしようかって…っもう、心配したんだから!!」
キャンキャンと子犬みたいに葵ちゃんが一気にまくしたてた。
「良かった~、、、生きてて、、、」
泣き出す5秒前の鼻息が熱いぜよ、葵ちゃん。