つま先立ちの恋
「葵ちゃん、、、」

「うん、うん。灯歌ちゃんが無事で良かった」

「お願いがあるの、、、」

「何? 私にできることなら何でも言って?」

「………私のこと、殴って、、、」

「わかっ、、、ん? ええぇぇえっ?!」

「グーでもパーでもいいから」

「だあだあだあっ! 違う違う違うっ!」

血相を変えた葵ちゃんが慌てて私から後退り、更に警戒心を顕にして斜め45度で構えた。

私は両手をだらりと垂らしたまま立っている。

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