つま先立ちの恋
「ね、入学式、来てよ」

「俺はお前の保護者か」

「あながち間違いじゃないかも。だって、将来は家族になるわけだし」

「一生言ってろ」

「あ、フーっ、、、っと!」

歩き出したフーを慌てて追いかけようとしたら、慣れない着物に足がつんのめる。

「うぉっ!」

しかも、何もないはずの床に何故か草履の先っぽが引っ掛かって、私は泳ぐように手をジタバタさせた後、目の前にあったライトグレーの背中をむんずと掴んだ。

「っ、ば・・・!」

「…セーフ、、、」

と安心したのも束の間、

「誰がセーフだ!」

頭の真上からフーの怒号が落ちて来た。ものすごい勢いで。

「え、えへへ…」

でも、せっかくだしもうちょっとこのままでいたいな~、なんて可愛い欲がムクムクしてきた時。


振り返ったフーの顔の近さに私は、雷みたいにビリビリと体が痺れた。


、、近っっっ( ̄□ ̄;)!!


< 19 / 468 >

この作品をシェア

pagetop