つま先立ちの恋
「行こうぜ、和泉。とっととメシ食って作戦会議だ」

「おぅ」

和泉はそのまま行ってしまった。男子たちと一緒に楽しそうにふざけあいながら。その笑い声に私の胸はかき乱される。


理由はもちろん、わかっているつもりだけど……


「灯歌ちゃん、和泉君と何かあったの?」


私がタオルを握りしめてぼーっとしてると、葵ちゃんの心配そうな声がした。

私は唇を真一文字に引き結ぶ。こういうのは苦手だ。

だけど、

『灯歌ちゃん、何の為にボクたちがいるのかな?』

「カエルくん、、、」

パペちゃんのカエルくんが私の鼻先を噛み付いた。

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