つま先立ちの恋
だからいつもメイドさんに遊んでもらってた。広いお屋敷で隠れんぼ。私がいつも隠れる側。

あの時もそう。忘れもしない私がまだ4歳の時。

いつものようにお父さんとお母さんがお屋敷のご当主様って人にご挨拶をして、それから大広間でいろんな人と話をしていたから、退屈な私はその部屋を飛び出して隠れんぼをしていた。

とにかくたくさんの部屋があって、その中の真っ暗で誰も使っていなさそうな部屋で、大きな箱に隠れた。

だけど、いつまで経っても探しに来てくれなくて、自分でも知らないうちに寝てしまったみたいで、起きてそこから出ようとした時、蓋が重くて開かなった。

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