つま先立ちの恋
バスルームはユニットバスかと思いきや、バスタブとトイレの間がガラスドアで仕切られていて、ちょっとお高い感じがした。想像してたよりもずっと広い。脱衣スペースがきちんと用意してあることにホッとした。

とりあえず私の服をどこかに置こうとキョロキョロしていると、バスローブを見つけてしまった。しかも二人分。


それで一気に頭に血が上った。


危うく叫び声を上げる5秒前でこらえる。抱えていた服で口を塞ぎ、叫び声の余韻をそこに吐き出す。


………心の準備はできてるつもりだった。だけど、こうなって初めて私は思い知らされる。頭の中と心の中と現実は同じようでいて実は全くの別物だっていうことに。


どうしよう、、、、、


足が震えて動けなくなってしまった私はその場にへたりこんだ。

< 445 / 468 >

この作品をシェア

pagetop