ラスト・ラブ
17歳
『ねぇ見て。美幸の首。キスマークだらけ。最近、彼氏出来たから嬉しくて、たまらないんじゃない?』

教室に入るなり足早に自分の席に座ろうとする美幸。首には3、4個のキスマークがついていた。

『マジー?そんなの他でやってくれないってカンジなんだけどー』

友達の会話に入れず私は、ただ美幸の襟元をずっと見ていた。見た目もクールだし表には出さない子だと思ってたけど、やる時は、やるんだねぇ…

―放課後―

『明後日から夏休みだね〜。何しよっな〜。千奈は何すんの?』

『私?何しよ…彼氏もいないし分かんないや。智美は?』

『私は早速、明日の夜から光チャン家に、お泊りなんだ〜!!チョー楽しみ!!』

智美は付き合って1年になる彼氏と今でもラブラブだ。毎日、幸せそうに何でも話してくれる。キレイになる努力を惜しまない。そんな智美の幸せそうな笑顔を見ると私も彼氏が欲しくなる。

でも私は今まで彼氏と呼べる人がいなかった。ほとんどが体だけの関係だった。相手に彼女がいるのを知ってて浮気をしていた。正直、自分が楽しければ、それで良かった。

一度こんな事を言われた。

『お前が浮気じゃないって思えば浮気じゃないんじゃない?』って。

その言葉が頭に焼き付き開き直った私は体だけの関係でしかいれなかった。でも友達以上恋人未満の関係であっても自分なりに恋をしていた。彼女の次でもいい。会ってくれるなら2番目でもいいって、ずっと、そんな恋だった。それで満足していた訳じゃない。そんな恋しか出来なかった…
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