俺の事だけ考えて
大事な女
待ち合わせの下駄箱で、手を振りながら友達を見送る。
俺に気付いて振り向き、満面の笑みを向ける。
沢村 凜花、高校2年
俺の大事な女。
「遅いよぉ!」
「悪い、待たせた」
俺、川上 陵弥、高校2年
そもそも、女に本気になった事のなかった俺が、心惹かれて…
凜花の心が堪らなく欲しくなった時。
アイツは噂の女だった。
目立つ容姿がそうさせたのか、女の妬みを一身に浴び、男の好奇な視線にも動じない。
とにかく目立つ噂の女。
「相当遊んでる誰とでも寝る女」
そんな噂のある女だった。