俺の事だけ考えて
噂の女がどんだけなのかって、興味だけで見てるうちに不思議な感情が芽生えた。
男が切れない癖に、誰と付き合っても楽しそうじゃなくて。
いつも、つまらなそうで。
何でそんな顔するのか……
知りたくて……
…俺なら……
俺ならそんな顔させないのに……
そう思った時、凜花の心が欲しくて堪らなくなってた。
全然男慣れしてなくて、手も出せねぇ……女だって気が付いた時。
「俺の傍で、俺だけ見てろ。そして…俺の事だけ考えて」
俺が凜花に言った言葉。
やっと、凜花の心を俺のものに出来た時。
傷付けた。
傷付いた。
辛くて、苦しくて。
周りの色さえも失った。
失い掛けた凜花の心を、取り戻せた時。
二度と離せない。
離さない。
離したくない。
それだけ大事な女だって気付かされた。
俺、馬鹿みたいに凜花だけ……
初めて「好き」って感情を、俺に気付かせた女。