俺の事だけ考えて
放課後の下駄箱。
凜花と待ち合わせする俺。
下駄箱に寄りかかって、先行く卓と沙織ちゃんに手を振って見送ってる……
その姿に、俺も笑みが浮かんで。
今日こそは凜花に触りてぇ……
そう、思っちゃう訳。
スッっと、凜花の目の前に俺の手を差し出す。
いつもなら、笑顔でその手に凜花は手を絡める。
なのに……
バチッ!
…痛って…
思い切り、掌をぶつけて、俺の手を叩く様に握った。
あ…意味わかんねぇ……
しかも何…?…笑顔もなしって…
ちょっと、ムッとする俺。
凜花の手をギュッと握り、無言で足早に歩き出す。
凜花は小走り気味で、俺に引かれながら、やっぱり無言。
何だよ…何、怒ってんの?
と、思いつつちょっとイラッとしてる俺。
俺のマンションのエレベーターに乗った途端、凜花が俯いた。
……凜花…泣きそう…?
つうか…泣いてる……
俺…凜花を泣かしてる?
…何で……