everlasting love



言った途端―――




「マリア…!」




ジュンに抱きしめられた。


ずっと嫌いだったはずの人。なのに、今はすごく愛しい。




「マリアの国と戦争になるって聞いたとき、すごく嫌で、父様に戦争をやめるようにお願いした」



「うん……」



「だけど、聞いてくれなくて…。だから、マリアに意地でも会ってやるって思って、飛び出してきたんだ…」




あたしと、同じだ。




「あたしも、ジュンに会いたくて飛び出してきたの…」




恥ずかしいけど、ジュンを見つめる。




「マリア、好きだよ」




そんなジュンの言葉と同時に、あたしたちの唇は、そっと重なった。



そして、その瞬間から、叫び声、悲鳴、戦車の音、銃声、

すべての音が、消えた―――




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