姉弟道
そんな彼らに呆れながら、ふと俺は気づいた。

こいつら、元に戻ってる…。

いつものリコ姉ちゃんとアズにぃに戻ってる。

って、戻ったことにしみじみとうなずいている場合じゃない!

俺がいつものように2人の間に入ろうとすると、誰かに肩をたたかれた。

視線を向けると、杉里さんだった。

「何ですか?」

そう聞いた俺に、
「この勝負、僕の負けです」

杉里さんが言った。

「えっ、でもまだ…」

勝負はついていないですと言いかけた俺に、
「結果はわかってます」

杉里さんはそう言うと、ケンカの真っ最中のリコ姉ちゃんとアズにぃに視線を向けた。
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