姉弟道
「聞こえてるぞ」

「ウゲッ!」

桃坊が俺に痛い視線を送ってきた。

まさか、今の全部声に出てた?

俺は手で口を隠すようにおおった。

「誰の前世が毒蛇だって?」

桃坊が怖い顔で言いながら、俺に迫ってきた。

顔立ちが端正な分、その迫力はハンパじゃない。

「いえ、そんなことはありません…」

俺は首を横に振って否定した。

「よろしい」

桃坊が俺から離れたのと同時に、俺はホッと胸をなで下ろした。

何だよ、こいつ…。

今すぐに殺されるかと思うくらいに怖かった…。

*゚。梓Side。゚*END
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