姉弟道
鉄板焼きも食い終わった頃。

「じゃあ、そろそろ失礼します」

石楠花先生が腰をあげた。

彼女が立ったのと同時に、俺はリコ姉ちゃんに肩をたたかれた。

「何だよ」

そう言った俺に、
「送ってあげたら?」

小声でリコ姉ちゃんが言った。

「ご近所じゃねーの?」

そう言ったリコ姉ちゃんに俺は言い返した。

「バカ!

女の1人歩きは夜が1番怖いの!」

怒鳴るように言ったリコ姉ちゃんに、
「だからと言って俺に頼む必要ねーじゃん」

俺は助けを求めるようにアズにぃの方に視線を向けた…が、当の本人は座布団を枕にして寝ていた。

あれはフリだな。

ご丁寧に、イビキまでかいてやがる…。
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