姉弟道
8.転がる思い
この間の鉄板焼き以来、石楠花先生とはすっかり仲良くなった。

近所で顔をあわせればあいさつをすると言うのも、当たり前となった。

ただ、俺はよくわからない。

石楠花先生と顔をあわせれば嬉しいと思っている自分がいて、会わなければガッカリしている自分がいる。

俺に何があったんだろうか?

考え事をしながら歩いていたのが悪かった。

ガンッ!

空はまだ明るいのに、流れ星が見えた。

「ナニシテンダ、オマエ」

横からQ太郎の声がした。

どうやら、俺は電信柱に頭をぶつけたらしい。

「大丈夫!?」

後ろから声が聞こえた。

石楠花先生だ。

彼女の声に、俺は電信柱から離れた。
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