姉弟道
9.ストーカーラプソディー
6月も終わりに差しかかった頃だった。

「またかよ!」

俺はそう叫ぶと、パタンと携帯電話を閉じた。

「どうしたの?」

コミック本から顔をあげたリコ姉ちゃんが聞いてきた。

「まただよ」

俺がそう言うと、リコ姉ちゃんはため息をついた。

今日で3日目である。

ここ最近、俺は非通知の無言電話に悩まされていた。

何故だか知らないが、最近俺の携帯電話にかかってくる。

「何だよ、マジで」

俺は携帯電話の電源を切った。

「あんた、恨みを買うようなことをしたの?」

いつものようにリコ姉ちゃんが聞いてきた。

「知らねーよ!」

心当たりがあったら、そいつの頭をぶっ飛ばしてるよ!

「はあ…」

全く、こう毎日続いていたらノイローゼになりそうだ。
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