姉弟道
織田さんは俺の前を通り過ぎると、石楠花先生の前に立った。

「話があるんだ」

織田さんは石楠花先生に言った。

「はっ?」

そう聞き返した俺に、
「あんな説明じゃ納得できる訳がないだろ!

もう1度、やり直してくれないか?」

織田さんが全部言い終わった瞬間、石楠花先生の腕をつかんだ。

「離して!」

汚いものでも払うように、石楠花先生が織田さんの手を振り払った。

「あなたとは終わったって、私は言ったはずよ」

おいおい、ドラマの撮影か?

突然始まった2人のケンカに、俺はどうすればいいのかわからなかった。
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