姉弟道
そんな俺に、織田さんは俺の方に視線を向けた。

「織田と言います。

彼女とは高校時代の同級生で、彼女のことをよく知っています。

進学の時も一緒に上京して…」

急に俺に説明し始めた織田さんに、
「はあ…」

俺はどうすればいいのかわからなかった。

と言うか、聞いてもいないんですけど。

石楠花先生は俺と織田さんの間に入ると、
「一緒なんかじゃないわ、たまたま進学先の大学が同じだっただけよ」
と、俺に言った。

「けど、つきあってたんじゃ…」

俺がそう言うと、
「それは違うわ!」

石楠花先生が怒ったように言った。
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