姉弟道
あの騒動以来、非通知の無言電話はなくなった。

ついでに言うと、石楠花先生との仲もギクシャクしたものになっていた。

「何をしてんだか…」

鳴らなくなった携帯電話を開いたり閉じたりしながら、俺は言った。

あの人のことが好きなのにな…。

パタンと携帯電話を閉じると、表面にイルミネーションが浮かんだ。

それが今の俺を演出しているみたいで少し滑稽だったので、俺は息を吐いた。

今日で何回目のため息なんだろうか？

そのうち、ため息で俺の躰が消えてしまうのではないかと思う。

「バッカみて…」

そう呟いた時、携帯電話が鳴った。

ディスプレイを見ると、アズにぃからだった。
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