TOKYO TROUBLE HOLIC
食事中、このあと、どこに行きたいか聞いた。
すると、綾が行きたい場所は……
「んー、京介の家、行ってみたいですね。」
綾の笑顔が、今の俺には苦痛だった。
だって、そうだろ。
俺の家は、あのボロアパート。
部屋の中も空しく、貧乏ですよと主張してるみたいなもんだ。
本当は来てほしいけど、泣く泣く断った。
「あー、んー、ごめん。今、ちょっと来れないさ。」
「えー、なんで?」
「いや、今、友達が泊まってて。」
嘘なんかつきたくなかったけど。
俺はローストビーフを口に入れ、ライスを流し込んだ。
残念そうな顔をし、綾はフォークでパスタを巻き、口に運んだ。


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