TOKYO TROUBLE HOLIC
結局、近くの公園に来た。
街灯がいくつかあり、真ん中にある池を照らしていた。
俺と綾は芝の上に座り、その池を眺めた。
木の揺れる音が、さわさわと。
癒されるね。

俺は綾の顔をチラリと見た。
綺麗な瞳に、綺麗な肌。
髪の毛から微かに見える耳。
綾の横顔、なんか好きだな。
こちらに気付き、笑顔で見てくる綾。
街灯の光と池を背景に、お互いが見つめあう。
俺の心臓はバクバク。
もう、今しかない。
気持ちを伝えるのは……
って思ったときには、すでに遅かった。
この綾の笑顔が、豹変するのだ。
幸せな時間から、一気に地獄の時間に突き落とされる。
神様って意地悪だよな。


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