TOKYO TROUBLE HOLIC
一緒に並んで、話をしながら帰り道を歩いた。
こういうときの時間って、早く感じるよな。
止まらないかな、この時間。
新しくできた洋服店を見ながら、香織は俺の手を引っ張った。
「ねぇねぇ。新しくできたんだって。今度、一緒に行こうね。」
俺は香織の顔を見ながら、軽く頷いた。
「だな。近いうちに行こう。服とか、買ってあげるよ。」
香織の笑顔は、さらに増した。
「ありがとう。」
けど……
二人でこの店に訪れることは、一生なかったのだ。


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