TOKYO TROUBLE HOLIC
会釈をし、女は席に座った。
名前は、アヤ。
俺はウーロン茶を見ながら、アヤに話し掛けた。
「あのさぁ、俺と会ったことある?」
まるで古くさいナンパのようだ。
「んー、わかんない。もしかしたら、あるかもね。」
まぁ、実際なくても、ないとは言わないだろう。
チラッとアヤの顔を見た。
頭の中で思い出す。
「……あれ?ダンスやってる?」
すると、アヤは少し驚いた。
「うん、やってるよ。よくわかったね。」
やっぱり。
道路で踊ってる、五人組の女ダンサー。
その真ん中で踊ってる女。
まさか、キャバ嬢だったとは。
「たまに、見てたからな。」
アヤは俺の顔を見て、笑顔を見せた。
「あー、あの人か。偶然ですね。」
俺のことを知っていた。
そういえば、こっち見て話してたな。
なんだか嬉しい。


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