TOKYO TROUBLE HOLIC
事務所に着くと、久史は黒いソファーに座っていた。
予めに電話しといたんだ。俺は前に座り、頼みごとをした。
「悪いんだけど、キャバクラから、ラファエロに回すのを、止めさせてください。」
こちらをジッと見て、久史はしばらく黙った。
俺は前もって準備した、あるものを出した。
「これで……お願いします。」
久史は受け取り、確認した。
「……百が三つ。本気ってことか。」
「はい。あと今回、回される予定の二人を、キャバクラから脱出させてほしい。」
三百万を部下に渡し、久史はタバコを取り出した。
「前回は、いい仕事をしてもらったしな。任せな。やってやるよ。」
俺は頭を下げ、お礼をした。
事務所を出ていこうとすると、久史はタバコを吸いながら言った。
「キャバ嬢の一人は、コレか?」
小指をキザに立てる。
こんなキャラだっけ?
俺は照れながら出ていった。


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