~天使はふたたび舞い降りる~
「おまえがイヤじゃなきゃ
俺はあっためてやれるけど」

思い出して
さらに震える奈楠に言った。

「うん。
にーにーならあっためて欲しい。」
小さい子供のような声で言った。


「俺は家族だからな。
でもいやだったら言えよ。」


俺は上半身だけ裸になった。
そして奈楠の上だけ
脱がして
裸にした。


奈楠が鳥肌になっていたから
優しくゆっくり
胸に抱いた。


奈楠は胸を手で隠し
俺の胸に顔をうずめた。


「よしにーあったかい」
奈楠の声が落ち着いてきた。


「だろ~」

「うん。幸せ~」

「奈楠・・・可哀相だったな。
あの日急に俺の前から姿を消して
俺はずっと立ち直れなかった。
会いたいってずっと思ってた。
あれから奈楠は不幸だったんだろ?」


奈楠が泣き出した。


「おまえは俺が幸せにしてやる。」


そう言って
強く抱きしめた。


「生きててよかった。
何度も死のうとした。
でも死ぬ前に会いたかったの。
あの日、私はにーにーに会ったら
死ぬつもりだった・・・・」



奈楠の衝撃的な告白に
俺は心臓が高鳴った。



「にーにーの心臓の音・・・・」
そう言って胸に耳を当てた。
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