~天使はふたたび舞い降りる~
保護者で俺がきていたから
四季は驚いていた。

袴姿の四季は
とても美しかった。

奈楠も時折、俺を振り返り
笑顔で歩く。
考えてもみれば
俺もこういう式がつらかった。

小学校に入学式は
母親が来てくれて
そのあたりまえが
それから先はひとりぼっちになってしまった。


奈楠には
小学校さえも一人


だから今日は家族として
妹の卒業を心から
祝ってあげたい・・・・

クラスに戻り
号泣する四季を生徒たちは
苦笑しながらも
抱きしめる。

奈楠はその輪の中にはいないけれど
そんな絵は
本当に感動する。


「未熟な教師でごめんなさい。
みんなとケンカしたり
楽しんだり・・・・
私の生活の全てでした。
あと数年したら
きっとベテランになってるだろうから
みんなの子供を
安心して
預けて下さい。」


え~~~
やだ~~~
勘弁して~~~~

「ちょっと、ひどいっしょ~」
ブ~~~~~~

鼻水を思いっきりかんで
みんなが大爆笑した。

四季の人柄が
心に響いていた。


< 124 / 426 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop