~天使はふたたび舞い降りる~
「大丈夫?」
家に帰ってくるなり
俺はどんよりした。

「ばかね~はしゃぎすぎだもん。」


「うれしーじゃん。
あいつらに子供が生まれる~」
悲しくなった。
涙がポロポロ流れた。

奈楠がびっくりしてたけど
酒は俺を正直にする。


「愛してたんだ・・・・
最初は、素良の仲良しにちょっかい
出したかっただけだった。
そのうち、歩来がそばにいるだけで
他になにもいらなくなった。
あいつが素良を深く
愛していて
二人が俺をはさんで求め合ってるの
感じれば感じるほど
歩来を束縛した。
二人には、ひどいことしたんだ。

人間として
屈折している俺を
抱きしめてくれた。
悲しい顔で・・・・・・
素良を思いながら・・・・・
気がついても
俺は歩来を離さなかったのに

ある日を境に
俺は身をひいたんだ。
嫉妬に狂い歩来に暴力を
振るったから・・・・・
あの時、かあさんの怯えた顔を
思い出した。
林に暴力受けてる
かあさんと同じ顔をしてた。

これ以上
歩来を愛したら
殺すかもしれないから・・・・
俺はおじけついて
歩来から身をひいた・・・・」


奈楠が水をもってきた。
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