~天使はふたたび舞い降りる~
距離
それから奈楠とは
顔をあまり合わせなくなった。


というより
奈楠が俺を避けていた。


俺も仕事が忙しくて
奈楠のことから
逃げていた。


四季とはあれから
一緒にいることが増えた。
四季の恋が終わったとは
思えなかったけれど
必要とされているなら・・・・



俺は四季に夢中だった。
それを平静に隠すのが大変だった。





「彼が入院したの・・・・」


四季が辛そうに言った。


「見舞い行ったのか?」


「仲間が行ったって・・・
元気そうで、病人に見えないって。」


「そっか・・・
行ってこればいいじゃん。」


「行けないよ・・・
彼の顔が見られない・・・」


「俺のことはいいからさ。
俺は四季が寒い時、そばにいてやるだけ。
後悔するよ。
会いに行けよ。」



四季は微笑んだ。


俺は少し胸が痛む・・・・・
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