~天使はふたたび舞い降りる~
「ばかね、いいに決まってるわ。
あなたはこんなに
怖がってるんだもん・・・
抱きしめてもらわないと・・・
心配で仕方がないわ。
抱きしめてもらって。

私は今幸せだよ。
彼に抱きしめられて
いろんなことを考える・・・
ひとりじゃないって・・・
 一緒に何食べようか?
 今日は一緒に何しようか?
 一緒になんの夢みようか?


愛する人と一緒なら
そんな状況でも幸せよ。
女ってそうよ。

奥さんだって
辛かったけど
一緒にいたら幸せだったし
愛する人がいれば
それが
どんな形でも
幸せな形になるのよ・・・・」


「そうか・・・・
素直になってもいいのか・・・
もうすぐ
ここにいられなくても
亜恋を抱きしめても
いいのか・・・・
ありがと、四季・・・・
いつも見守ってくれて。
おまえも幸せになれよ。
おまえのおかげで前に進めそうな
気がするんだ。」


「私も優のおかげで
前に進むわ。
握手しよう・・・・・」



「また来てもいい?」

「おう!!
元気なうちに来いよ。
あんま時間ないからさ~」


「ばか、
じゃあね。」


俺は慌てて面会ルームに戻った。

女の子は壁によしかかり
声を殺して泣いていた。


  愛してるんだな・・・・

泣き声は胸に深く刺さった。
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