~天使はふたたび舞い降りる~
四季が俺を抱きしめた。

俺は母親を見つけた子供の
ように四季の柔らかい胸に
顔を埋めた。

「芳樹・・・・
あなたのせいじゃないよ。」

「俺なんだ。
四季のこと好きになって
少し縛られているのが
面倒になった。
奈楠はそれを感じ取って
家を出て行った・・・・
頼れるのは自分だけなのに・・・
仕事だけが
励みだったのに
仕事もいけなくなって・・・・
どうして奈楠だけが
俺が守ってやるって言ったのに・・・」


四季は優しく俺を抱きしめる。

さっき衝動的に
四季を抱いた。
野獣になって
四季を突き上げたばかりなのに

俺は子供になっている。


「四季・・・・
好きだよ・・・・・
もう誰も好きのになれないって
思っていたのに
四季に出会って
俺の人生が変わったような気がした。」


「私だって
芳樹に出会って
前に踏み出したのよ。
別れるなんていわないで・・・」

四季も泣き声になった。



「どうして別れなきゃいけないの?
一緒にいたって
奈楠ちゃんを支えてあげられるわ。」


そうなんだ・・・
別れなくても


それでは
自分勝手のキレイ事にしか
ならない


奈楠を支える


キレイ事じゃ
伝わらない・・・・
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