~天使はふたたび舞い降りる~
朝まで何度も
何度も愛し合った


お互いを求め合う手を
強く握り合い

愛してると
ささやいた・・・・


朝焼けが差し込む
四季の部屋


カーテンのない窓が
別れの時間を教えてくれた。


俺は涙で泣き腫らした
四季の瞼にキスをした。

髪の毛が
顔にはりついている。


四季はスヤスヤと寝息を立てていた。


ベットから出て
身支度を整えた。


部屋をでる時
もう一度
四季の唇に触れた・・・・


「ゴメンな・・・四季・・・」


部屋のドアを閉めて
玄関で靴をはいていたら

四季の絶叫が聞こえた・・・・
嗚咽と泣き声が
俺を刺す・・・・・


「早く・・・・早く行って~~!!」

俺は玄関のドアを閉めた。



ここからはもう
四季を忘れよう・・・・・


そう思いながらもドアにしがみついていた。


四季が部屋から出て
ドアの向こう側で泣いていた。



「よしき・・・・
よしき・・・どうして・・・
どうして別れなきゃいけないの?
どうして・・・
待ってろ・・・って言ってくれないの?
別れたくない・・・
私は・・・そんなに優しい女じゃない
本当はドロドロして・・・
残酷で・・・自分のことしか
考えてない・・・・
妹のことなんて・・・
どうでも・・・・」


そしてまた激しく泣いた。


  わかってるよ・・・四季・・・
  無理してたのも
  本当の気持ちも
  全部持っていくよ・・・・
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