~天使はふたたび舞い降りる~
「じゃあね~また来るからね~
頑張るんだよ~」


「うん、待ってるね~」

大きな声が聞こえた。


俺は前に進み友達に挨拶をしようと
面会ルームを出た。



「あれ?四季さんの・・・」


「亜恋ちゃん?」



「ナナンの彼って・・・?」


俺はうなずいた。


「だって、四季さんは?
四季さんと付き合ってるって・・・
聞いてたんだけど・・・・」


「うん。いろいろあって
奈楠を選んだんだ・・・・」


「病気だから?」


「それも・・・あるけど・・・」


亜恋はにっこり笑った。

「つらいですね。
お互い・・・がんばって
がんばるしかないもんね~
くよくよしてられないから・・・・」



「また、来てやって。
奈楠のあんな声初めて聞いたよ。」


「はい、もちろん。
私たち親友なんですから。」


「中村さんは?」


「退院したけどなかなか会いに行けなくて
どこでもドアが欲しいな~」


「元気にしてるのかな?」

「してるって言うんだけど・・・
会いたい・・・
親なんていらないから
会いにいきたい・・・・」

亜恋の表情が曇った。
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