~天使はふたたび舞い降りる~
医療費を払うのも大変だった。
奈楠が自分自身でかけていた
保険には助けられたが
薬代が高くて
いろんな手続きをして
やっともことだった。
残業も進んでやり
病院に行けない日の
次の日の
奈楠の機嫌は最悪だった。



「仕事って嘘でしょ?
私がこんなんだから
めんどくさいんでしょう?
だから、いやだったの。
こんな思いするから
だから・・・・」

俺がすべての奈楠には
しょうがなかった。


俺は耐えるしか・・・・
奈楠が落ち着くまで
抱きしめるしかできない。



「他の人の匂いがする。
こんな女より
いっぱいいるよね~
芳樹なら~」


「おまえだけだよ」


「うそつき・・・」


奈楠はひたすら泣きわめく


そして無気力になっていった・・・


「もう・・・やだ・・・・
どうせ死ぬんだから・・・・
こんなことしたって
無駄だから・・・・・
もう止めて…苦しいから・・・・」


亜恋からの連絡もないことに
心配していた。


「私なんてどうせ
ひとりぼっちなんだから・・・・」


心を閉ざした。
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