~天使はふたたび舞い降りる~
亜恋と会ってから
奈楠は落ち着いてきた。


積極的に戦う姿勢は
見られなかったが
不安定さがなくなっただけでも
俺には助かった。


「ごめんなさい・・・」


「どうした?」


「アレンがね、ちゃんと謝るように
言ったから。」


「亜恋ちゃん、いいこと言ってくれるね」


「ひどいこといってしまうのは
病気だから仕方ないけど
気がついたら ごめん 
って謝らないといけないって。
アレンも彼といつもそうしてるんだって。
感謝してるのに・・・
だから私は、アレンの彼の気持ちが
わかるから
いろいろ話したの。
立場は逆だから
わかりあえる・・・・
なんだか・・・・
アレンに会ってよかった。」


「そっか、よかったな。」


「うん・・・
もう会えないかと思ってた・・・
だって・・・わかるんだ・・・
もうすぐ終わるんだもん・・・
時間がないんだもん・・・・
治療しなかったら、ずっと素直に
芳樹のそばで死ねる・・・
もう治療したくない・・・」



素直になっても
前を見ようとする意識は薄い


命って
大事なんだ


そう伝えたらいいのだろう


奈楠は治療を拒んだ。
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