～天使はふたたび舞い降りる～

「愛してる人には
幸せになってもらいたいね。」


「そうね。
幸せであってほしいわ。」


「芳樹は今幸せだとは
思わない・・・・」


「なぜ？」


「芳樹が私を愛してるって
言ってくれたのは
私が病気だからだって・・・・
芳樹には
私でも、歩来さんでもない人が
いるの・・・」


「そうなの？」
歩来も驚いていた。


当人は心臓が激しく打つ。



「きっと、その人をあきらめた・・・
辛い思いをさせちゃった。
私の病気が
芳樹を狂わせた・・・
かわいそう・・・・」


「奈楠ちゃん・・・
大丈夫だよ・・・
芳樹の性格上、偽りの心では
いられないと思うよ。
たとえそうであっても
納得して奈楠ちゃんへの気持ちに
気づいて
今そばにいるんだよ。
信じてあげて・・・
病気のせいじゃない。
病気が芳樹に本当の心を
気づかせてくれたの。」


「そう思ってもいいかな？」


「長いつきあいの私がいうのよ。
きっと素良も同じこという。」


「よかった・・・
私なんて早くいなくなればいいって
思っていたから・・・・
だって・・・愛してる人に偽りの
道を歩かせるなんて・・・
悲しい…自分のために・・・・」