～天使はふたたび舞い降りる～

「芳樹ったら・・・」



「いいの・・・
担任可愛い人だったから。
なんかね、歩来さんに似てる。
芳樹の心には
やっぱり歩来さんが住んでるんだね。」


「それは私たちが
いっぱい傷つけあって
癒しあって精いっぱい前を見て
歩いてきたからよ。」


「うん、わかる・・・・
だから、私がいる間は
ずるいけど・・・・
芳樹といたい・・・・・」


「・・・つらいね。
そんなこと思ってるの？
芳樹は、奈楠ちゃんを愛してるから。
偽善や同情で
一緒にいるような人間じゃない。
その人とも
しっかり話し合って決めたんだから
そんなこと考えるのは
芳樹に対して失礼だからね。」


「だって・・・」


「芳樹に聞いてみなさい。
そしてその言葉を信じて
一緒にいられるように
今奈楠ちゃんができることを
考えなさい。
芳樹にとって幸せなのは
あなたと一緒にいることなんだよ。
ね？わかる？
そんなことに怯えてないで
闘わなくちゃ。
あなたのここに・・・
いつか芳樹の築けなかった
暖かい家庭を築く天使が宿るように・・・」



「歩来さ～ん」


「ばかね・・・・」


奈楠の泣き声が聞こえた。