~天使はふたたび舞い降りる~
あんな素良を初めてみた。
クールな男は
もういなかった・・・・


「芳樹・・・歩来大丈夫か?」
今にも泣きそうだった。


素良が分娩室に消えて
間もなく


「オギャーオギャー」
元気な赤ん坊の声がした。


俺は思わず椅子に
崩れ落ちた。


「産まれた・・・」



歩来が母親になった。
あのガリベンだった歩来
素良に恋してる歩来

俺にかき回されて
翻弄しながらも
優しく抱きしめてくれた。


そして愛してくれた。

愛し合って傷つけて
ボロボロななって・・・・



歩来が・・・・・・・
おかさん・・・・


素良がおとうさん


素良はきっと幸せな家庭を
築くだろう・・・・



分娩室から
赤ちゃんを抱いた
奈楠が素良と一緒に出てきた。



奈楠は涙で
ぐしゃぐしゃだった。



俺は二人の子供に対面した。
感動で体が震えた。
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